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「努力は裏切らない。咲かない花はない」

世間ではよく、そんな前向きな言葉が飛び交います。 でも、本当にそうでしょうか。それって、ある程度上手くいった“成功者の論理”ではないでしょうか。成功体験の押し付けは、時に「自分には無理だ」という息苦しいプレッシャーを生み出してしまいます。

今、再放送されているドラマ『いちばんすきな花』や、人気の漫画『霧尾ファンクラブ』を観ていると、そんな世間の「当たり前」に疲れた心に、そっと寄り添ってくれる優しいメッセージが見えてきます。

たとえば、ドラマ『いちばんすきな花』の夜々さん。彼女は「可愛い」という理由だけで、周囲から勝手に妬まれ、内面を見てもらえない生き辛さを抱えていました。 「美人は冷たい」なんて言われますが、それはあまりに多くの人から声をかけられ、すべてに対応しきれないからこそ身につけた、自分を守るための「処世術」です。決して彼女の責任ではありません。人も花も、置かれた環境で必死に生き延びるための術を、それぞれが必死に持っているのです。

また、『霧尾ファンクラブ』では、オカルトマニアの満くんや、桃瀬さん、村岡さん、後輩の田代くんまでが、いつの間にか自然に「仲間」として受け入れられていきます。 しかもその理由は、「霧尾のファン(ストーカー)」という、一見するとちょっと不純で、くだらない目的のため。 でも、現実の友達だって、結構そんなところから始まりませんか? 「友達になる立派な理由」なんて、最初からなくていい。不完全な者同士が、ひょんなきっかけで集まり、なんとなく居心地よく過ごせる。それだけで十分なのです。

「咲かない花はない」と言うけれど、花はいつか萎れ、枯れます。 咲きたくない時に無理やり咲かされることもあれば、蕾のままで終わる花、誰にも気づかれずにひっそり咲く花だってある。

人生に無理やり「目的や成果」を求めようとするから、人間を「必要か不必要か」という生産性だけで測るようになってしまう。大切なのは、綺麗に咲くことではなく、ただそこに在る「生きる意志」そのものです。自分だけが特別に咲き誇るのではなく、誰もがそのままの姿で生きていける社会こそが、仏教の目指す世界です。

生き辛さを無理に排除するのを、やめてみる。 「それもまた、その人が一生懸命生きている味わい深い姿(いとおかし)」と、不完全なままの互いを認め合う。 そんな心のゆとりを、お寺で一緒に持ってみませんか。
合掌

【参考文献】

  • ドラマ『いちばんすきな花』(フジテレビ系列・生方美久 脚本)における深雪夜々のキャラクター設定・エピソードを参考に記述
  • 地球のお魚ぽんちゃん『霧尾ファンクラブ』(講談社)

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