お盆参りなどで炎天下の中を歩いていると、「夏は暑いけどどうしたらいいですか?」という切実なご質問をいただくことがあります。はじめにお伝えしておきます。これは仏様にお願いしても、お坊さんである私がお経をあげても、どうすることもできません(笑)。みなさん、まずは熱中症にならないようにくれぐれも気を付けてくださいね。
世の中には、仏様の力では「どうしようもないこと」がたくさんあります。例えば、
夏は暑い。冬は寒い。春は花粉症がつらい。秋になれば勝手に紅葉する。お線香は煙たいし、坐禅をすれば足が痛い。そして、人はいつか必ず死を迎える。――書き出せばきりがありません。
実は、人間はこの「どうしようもないこと」を克服するために、たくさんの工夫を重ねて生きてきました。
「夏は暑い」を何とかするために、団扇(うちわ)や扇子、涼を呼ぶ風鈴、かき氷、怪談話、土用の丑の日のうなぎ、そして現代のエアコンまで、熱を遮り、快適に過ごすための知恵をたくさん工夫してきました。
でもどうあっても、
夏が暑いのは変わりません。それなのに、先人が遺してくれたたくさんの「涼む工夫」に目を向けず、ただ「暑い、暑い」と不満ばかりに心を奪われてしまうこと。実はそちらのほうが、私たちの心を疲れさせる本当の問題なのかもしれません。
暑いなら、文句を言う前に、まずは暑さを避ける工夫をしましょう。……なんて、やっぱり今日も少し説教臭くなってしまいましたね。私もまだまだ修行が足りません。
根本的な解決はできませんが、「それでも暑いんだから愚痴りたい!」というお気持ちがあれば、いつでもお寺にお話しにきてください。そんな人間の「弱さ」や「おかしみ」にじっと耳を傾け、丸ごと包み込むことこそが仏教の優しさですから。合掌
#熱中症対策 #暮らしの知恵 #心の持ち方