私は最近、Netflixでアニメ『アオのハコ』を視聴しました。スポーツと恋愛を同時に描く青春物語であり、バドミントン部の高校1年生・猪股大喜が、憧れの先輩で女子バスケ部のエース・鹿野千夏と同居することになり、夢のような日々を送りながら彼女にふさわしい人間になろうと努力する姿が描かれています。部活動の熱い日常と、三角関係を含む甘酸っぱい恋愛が交差するラブコメ作品です。
恋愛作品では「恋人になるかならないか」が大きな焦点になりがちです。しかし、この作品の登場人物たちはそれぞれが真剣に相手を思い、考え、そして自分の気持ちを伝えようとします。その姿は、10代を過ぎた大人である私にとっても心に響き、感心させられるものでした。
私たちはつい「友達」と「恋人」の境界線を意識してしまいます。恋愛に発展しない関係を歯がゆく感じることもあります。しかし、よく考えれば友達には友達の良さがあり、恋人には恋人の良さがあるのです。人間関係は上下の段階で語られるものではなく、それぞれが異なる価値を持っています。
定番の告白シーンで「友達からお願いします」という言葉を耳にすると、私は少し違和感を覚えます。友達になること自体がすでに大変で尊いことなのに、それを恋人への通過点のように扱うのは軽んじているように感じるからです。友達は友達であり、恋人は恋人である。両者は別の階段を上るようなものであり、どちらが上か下かではなく、互いの同意と理解があって初めて成立する関係なのです。
そして大切なのは、呼び方がどうであれ「相手を大切にする心」に変わりはないということです。時には距離が近いがゆえに相手を傷つけてしまうこともあります。『アオのハコ』でも、大喜が同級生の蝶野雛に自分の思いを伝えたことで彼女を傷つけてしまう場面が描かれています。人間関係の難しさと尊さがそこに表れています。
人権とは、誰もが尊重され、大切にされるべき存在であるという考え方です。友達であれ恋人であれ、立場や呼び名に関わらず、互いを尊重し合うことが人権の根本に通じるのではないでしょうか。人間関係の中で相手を思いやり、傷つけてしまった時にはその痛みを受け止め、また歩みを進める。その繰り返しこそが、私たちが人権を学び、実践していく道だと思います。
『アオのハコ』の物語は、青春の恋愛模様を描きながらも、人を尊重することの大切さを私たちに教えてくれます。これから物語がどのように展開していくのか、アニメ第2期を楽しみにしつつ、人間関係の尊さについて改めて考えさせられます。
※参考文献
●三浦糀『アオのハコ』集英社、2021年-
●『アオのハコ』Netflix、2024年配信。