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木魚と「磬子(けいす)」の役割

鳴り物の音に、意味がある。

お寺での読経のとき、鐘や木魚の音が響くのを耳にしたことはありませんか? その音に、どんな意味があるか——考えたことはありますか?

実は、ただの演出ではないのです。 そこには、読経を支える大切な役割が込められています。

まず「木魚」。 これは読経のリズムを整えるために使われます。特に陀羅尼や漢文のお経では、意味よりも音の流れが重視されるため、木魚の一定のリズムが僧侶たちの声を一つにまとめてくれるのです。 まるで、読経の指揮者のような存在。 木魚の由来や象徴的な意味については、また別のコラムでお話ししますね。

次に「眠気覚まし」。 読経は低い声で淡々と唱えるのが基本。だから、長時間になるとどうしても眠くなってしまうこともあります。 そんなとき、鐘の音が響くと、ハッと意識が戻る。 まるで、静寂の中に差し込む一筋の光のようです。 ただし、慣れてしまうとその効果も薄れてしまうので、修行僧にとっては日々の鍛錬が欠かせません。

そして、今回の主役「磬子(けいす)」。 この音には、合図としての意味があります。 磬子が鳴ると、それは「動き出すタイミング」の知らせ。 次の法要の準備、導師の焼香、回向の経本(回向双紙)の受け渡し——堂内の動きが始まるきっかけとなるのです。 静寂の中に響く一音が、場の秩序と流れを生み出す。 それが、磬子の力です。

こうした鳴り物の意味や動きは、永平寺のような大本山での法要を体験すると、より深く理解できます。 ぜひ一度、永平寺にご参拝ください。 もし私がご案内役を務めることができれば、現場での解説を通じて、さらに分かりやすくご紹介できると思います。

お寺に足を運ぶ理由は、供養や参拝だけではありません。 修行僧の姿を目にすることも、心に響く体験となるはずです。 人間味あふれる修行僧の姿から、きっと何かを感じ取っていただけることでしょう。

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