2025/11/19

僧侶の服装を考える

今年の夏は本当に暑かった。 ――僧侶の服装は「暑さ対策」と「象徴性」の両立が大事です。

薄手の衣でも、シャツ・襦袢・着物・衣・袈裟。五枚を重ねると、汗が止まらない。街を歩けば、Tシャツやアロハシャツの人々。その涼しさとの対比に、僧侶の服装は重く感じます。

もし僧侶がTシャツ短パンで棚経や法事に伺ったら―― 皆さんはどう受け止めるでしょうか。「ありえない」と思う人もいれば、「倒れないためには必要かも」と考える人もいます。

仏像を思い浮かべてください。肌を露出した姿、耳に飾りをつけた姿、剣や楽器を持つ姿。多様な姿があるのです。僧侶の軽装も、ある意味ではその多様性に近いのかもしれません。

ただし、日本には着物の文化があります。僧侶の服装もその流れを受け、制服のように役割を示す。簡単には変わらないのです。

庄屋の法事に呼ばれた一休さん。黒い衣では追い返され、金襴の袈裟では迎え入れられた。そして衣を床の間に置いて帰った―― 呼ばれたのは「一休さん」ではなく「衣」だった。

服装が人々にとって大きな意味を持つことを示す逸話です。

だからこそ、僧侶が軽装で法事に臨むことには違和感もある。しかし、時代や環境の変化に合わせて考えることも必要です。大切なのは服装そのものではなく、僧侶が仏法を伝え、人々の心に寄り添う姿勢です。

「衣は形。心こそ本質。涼しい姿でも、仏法を伝える熱は失われない。」

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