先日、あるテレビ番組を観ていて、こんな話題が出てきました。 「生前にお墓や仏壇を用意すると相続税がかからない。でも亡くなった後に購入すると課税対象になる」――。
なるほど、制度的なメリットもあるのか…と思いながら、私はこう感じました。 仏壇の価値は、税金の話だけでは語りきれない。 もっと大切なのは、仏壇があることで生まれる“心の整え方”です。
「まだ家族が亡くなっていないから、仏壇は必要ない」 そう思っていませんか?
でも、ちょっと想像してみてください。 朝、目覚めて仏壇に手を合わせる。 出かける前に「行ってきます」と挨拶する。 帰宅して「ただいま」と報告する。 それだけで、心が落ち着き、生活にリズムが生まれます。
仏壇は、亡くなった人のためだけのものではありません。 あなたの命をつないできたご先祖様に、感謝を伝える場所です。 そして、自分自身の心を整える場所でもあります。
大きくなくていい。高価でなくていい。 あなたの暮らしに合った、無理のない仏壇で十分です。
置き場所も、細かく気にしすぎなくて大丈夫。 地域の風習や宗派の方角があるなら、それに沿えばなお良し。 でも、まずは「置ける場所に置く」ことが大切です。
そして、ぜひ実践してほしいことがあります。 仏壇に向かって、手を合わせる習慣です。
- 朝起きたとき
- 出かける前
- 帰宅したとき
- 寝る前
- 給料をいただいたとき
- 旅行の前後
ほんの一礼でも構いません。 その一瞬が、あなたの心を整え、感謝の気持ちを育てます。
さらに、仏壇があると自然と部屋を掃除したくなります。 来客時の座る位置にも気を配るようになります。 つまり、仏壇は「暮らしの質」を高める存在なのです。
最後にひとつだけお願いです。 仏壇を購入したら、必ず「開眼供養」をしてください。 仏壇に魂を入れ、礼拝の対象としての尊厳を持たせる大切な儀式です。
当寺・観音寺でも開眼供養を承っております。 お気軽にご相談ください。
仏壇は、あなたの人生を整える「小さな習慣の場」です。 テレビ番組をきっかけに、改めてその大切さを感じました。 ぜひ、今日から始めてみませんか?
合掌