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物語を作ってみました。テーマ:お布施

​むかしむかし、あるところにお寺がありました。
ある日、一人の男がお坊さまにこう尋ねました。
「お坊さま、お布施をもう少し安くしてもらうわけにはいきませんか?」
​お坊さまはニコニコしながら、こう答えました。
「おや、お前さん。お布施というのはね、買い物のお金とはちょっと違うんじゃよ。」
​1. 「喜んで、捨てる」ということ
​「お布施」というのは、一言でいえば『惜しみなく与える』ということ。
別の言い方では『喜捨(きしゃ)』とも呼ぶんじゃ。
読んで字のごとく、『喜んで、捨てる』という意味じゃな。
​例えば、お前さんが友達にお土産をあげたとしよう。
後になって『あの饅頭、美味しかったか?』『全部食べたか?』なんて、何度も何度も確認したくなることはないかな?
それはね、物をあげたようでいて、心の中ではまだそれをギュッと握りしめている証拠。
『捨てきれていない』ということなんじゃよ。
​2. 「もじもじ」は、相手を困らせる
​実はな、わしも修行の身。たまに優柔不断になって、相手にどう思われるか気になって、もじもじしてしまうことがあるんじゃ。
でも、そんな『迷い』があるうちは、本当の布施とは言えんのじゃな。
物も、気持ちも、パッと手放して、全てを差し出す。
それが、お布施の本当の姿なんじゃよ。
​だからね、「安くしてください」というのは、少し難しい相談なんじゃ。
お布施は、仏さまへの『ありがとう』という感謝の気持ち。
感謝の心には、高いも安いもないからのう。
​3. お金が足りないときは、どうする?
​「でも、お坊さま。どうしても出せない時はどうすればいいんです?」
​そうじゃな。お布施を出すことで、お前さんが苦しんでしまったら、それは仏さまもお喜びにはならん。
もし、10万円納めたいけれど、どうしても5万円しか出せない……そんな時はな、残りの5万円分は、他の誰かに『優しさ』として届けておくれ。
​4. 誰にでもできる「心の布施」
​足元を見てごらん。道にゴミが落ちていないかな?
玄関を見てごらん。履物が脱ぎっぱなしになっていないかな?
​道に落ちたゴミを、そっと拾う。
​お年寄りに、席を譲る。
​家族の履物を、きれいに揃える。
​これも立派な『お布施』なんじゃよ。
今の世の中、みんな忙しくて、自分のことばかり見てしまいがちじゃ。
でも、一度立ち止まって、ぐるりと周りを見渡してごらん。
お前さんにできる「優しいこと」が、きっとたくさん見つかるはずじゃ。
​まずは、お前さんの視界を広げることから始めてみよう。
それが、観音さまの慈悲に近づく、一番の近道なんじゃから。
​おしまい。

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